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ノーベル化学賞 [日記・雑感]

 さきほどのエントリーでは、化学賞についてなにも書きませんでしたので、ちょっと感想を書いてみます。
 「そろそろ化学賞の発表だなあ」などと話しながら夕食を取ったあと、研究室に戻ろうとしたら、大勢の取材の人が建物にどんどん入ってきました。なんだこの騒ぎはと思いながら、研究室に戻ってwebをチェックしたところ、日本人の下村脩先生が受賞されたとのこと。でも正直なところ、お名前は知りませんでした。しかし、受賞理由となった緑色蛍光タンパク質(GFP)くらいは、知っていました。
 日本人ということで喜ばしいことですが、正直な感想は、また生命科学系の研究が受賞したのかというものです。2000年に入ってからは、田中耕一さんらの受賞(生体高分子の構造解析法の開発)をはじめ、細胞膜のチャネルの研究や、ユビキチン、一昨年のコーンバーグ(真核生物の転写機構)と、生命科学分野に近い研究が化学賞を受賞しています(もちろんそれ以前も、多くのいわゆる分子生物学分野の研究者が化学賞に輝いています)。化学の幅広さということでもありますが、「化学科」を卒業した身からすると、少し寂しい気もします(といってても、僕の研究は生体機能関連化学というジャンルにもなるので、)。
 とはいえ、今回のGFPのような、タンパク質や生体物質にくっつける「目印」の開発は、化学の中でも大きな分野に発展しています。そういった意味では、生命科学の発展に大きく寄与したばかりか、化学の研究の大きな潮流の原点ともいえるのと思います。
 それにしても、下村先生を輩出した名古屋大の研究室からは、岸義人先生、中西香爾先生と、ノーベル賞級の先生方が出ています。お二人とも、ハーバード大、コロンビア大と「頭脳流出」組になるのでしょうが。

 ノーベル化学賞はさておき、来週は楽しみな実験・測定が2つあります。どんな結果になるか。それが気になって、ほかのことが手に付かないんですよね。なのに、久々にブログを更新しちゃったりするのが不思議。
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