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二年目のサイエンスアゴラ [科学コミュニケーション]

▼先週の三連休は、連日お台場に通いつめて、サイエンスアゴラに参加してきた。サイエンスアゴラは、サイエンスコミュニケーションの一大イベント。一回目だった昨年は、とにかく開催したこと、そして関心のある人々を全国から集めたことに意義があったと思うが、二回目となる今年はそれだけじゃいけないだろうと思いつつ、結局三日とも行ってしまった。
▼全体的な印象は、大学や研究機関など、いわゆる科学者側や政府系の団体の参加が増えたということ。そういう団体や人たちを、サイエンスコミュニケーションの場に引き出すのも、このイベントの大きな役割だと思うが、一方で草の根的な活動の掘り起こしにはまだ課題が残る。
▼あと、これが一番残念だったことだが、それぞれの参加者が自分のセッションやブース展示に忙しく、相互の交流がまだ少なかったということ。せっかくの懇親会もいつもの顔ぶれが多く、草の根活動の人や、若い人たちがほとんどいなかった。みんな自分の活動をアピールするだけアピールして、会場を後にしてしまったのである。コミュニケーションの欠如というか、一方向的というか、「欠如モデル」的というか、こういうのを解決しようと科学コミュニケーションの取り組みが始まったはずなのだが、自分たちの中ですらできていないような気がする。
▼そこで、何人かの参加者と話したのだが、来年は出展者が必ず参加する懇親会・交流会を開催してみてはどうだろうか。そして、”偉い”人ばかりが固まらないような工夫をする。草の根の人たちも、文科省やJSTの方々も、学生も、研究者も、毛利さんも、立場など関係なく、科学コミュニケーションについて語り合えるような場を作るのだ。全国からさまざまなサイエンスコミュニケーターが集まっているのだから、アイディアもノウハウもあるだろうし、きっとできるはずだ。そんな「アゴラ」を作れないのなら、社会を相手にしたサイエンスコミュニケーションなんて、夢のまた夢ではないだろうか。
▼全国のサイエンスコミュニケーターの皆さん、さあ立ち上がろう。科学が研究者だけのものではないように、サイエンスコミュニケーションだってすべての人に開かれたものであるはずだ。作られた「アゴラ」という広場に受身的に集うのではなく、一緒にアゴラをつくっていきませんか。

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出前授業、反省。 [科学コミュニケーション]

 昨日は、朝から神奈川県の高校に出前授業に行ってきました。総合学習の中の一コマ(2時限分)ということで、いろいろとお話をしてきました。最先端のテクノロジーを調べるということをやっているらしく、どうやらナノテクノロジーの話を期待されていたみたいです。化学よりの話ばかりしたもので、授業の方向性にあっていたかは分かりません。
 2時間もぶっつづけで授業をすると、僕も疲れてきますし、生徒も疲れてくるものです。それでも、眠ったり内職をする生徒はあまりいなくて、真剣に聞いてくれて、うれしかったです。ただ、やっぱり今回も質問が出ませんでした。こちらから問いかけをしても、あまりレスポンスがありません。確かに高校までの授業だと、演習問題の答えを先生に当てられることはあっても、質問を求められたり、自分の考えや答えのない問いに対する意見を述べることはなかなかないですよね。
 生徒とのコミュニケーションに関しては、出前授業のあと、毎回毎回どうしたらいいのだろうかと迷います。僕の話が答えをすぱっと見せるものではなく、現在進行形の研究も紹介して、まだわからないとかまだできないとか、煮え切らないところがあるのがいけないのかもしれません。サイエンスカフェでは、わざとそういう話をして、お客さんといろいろと話に花を咲かせることができます。研究室見学に来る高校生なんかでも、少人数の場合は、一緒になって研究について議論したりもします。これが僕自身、一番楽しいことなのですが、一クラスを相手にする授業ではなかなかそうはいきません。
 「サイエンスコミュニケーション」においては、聴衆との双方向性がひとつの重要なポイントになっていますが、授業となるとどうなのでしょうか。僕が出前授業で求められているのは、普段の授業とは違って、一回限りのものです。その後のフォローは先生がなさいますし、生徒が自分で疑問を持って調べるというのも、次の授業時間にすることでしょう。きっと、僕がやるべきなのは、授業でもなく、サイエンスカフェのようなトークでもなく、一研究者(のたまご)としての「講演」なのではないでしょうか。
 そう考えると、僕の話は2時限分(1時間半)の「講演」としてはかなり完成度の低いものです。一方向的でもいい、とにかく聞き手を引き込んで聞かせる、そんな講演がいいのかもしれません。
 ともかく、その場に合わせた話の作り方としゃべり方が必要です。まだまだ工夫の余地がありそうです。

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サイエンスクラブ:プレイベント@本郷開催! [科学コミュニケーション]

 7月7日に六本木で開かれる「科学×音楽」のイベント「サイエンスクラブ」。このプレイベントがまたまた開かれます。日時は6月9日(土)19-22時。場所は、なんと東京大学本郷キャンパス赤門横です。工事現場の仮囲いをスクリーンに見立てたアートプロジェクトi-forestの一環です。
 当日は、DJ&VJ、星空解説、プラネタリウム、実験ショーなどなど盛りだくさん。屋外なので天気がよければ、ほんとに星も見られるかもしれません。屋外カフェも出るので、ドリンクを片手にくつろいでいってください。
 準備にはぜんぜん関われていないのですが、僕もサイエンスクラブのメンバーなので、当日は参加しているはずです。

 詳しくは、こちら。
 サイエンスクラブのホームページ:http://sciclub.sakura.ne.jp/index.html
 i-forestのホームページ:http://thinkingforest.info/iforest/


サイエンスクラブ@六本木、開催! [科学コミュニケーション]

 マイマイさんがずっと前からやりたいといっていた、科学と音楽のコラボイベントついにやります!今回は、 「サイエンスクラブ~みんな宇宙が大好き~」と題して、7月7日七夕にオールナイトで開催します。会場は、六本木のクラブSuperDeluxe。サイエンティストのゲストは、宇宙飛行士候補で東大助手のアニリール・セルカン氏。ミュージシャンは、キセルやトクマルシューゴらがライヴをおこないます。DJ,VJ,実験ショーなども取り込む予定です。
 

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サイエンスカフェをふりかえる [科学コミュニケーション]

 サイエンスカフェがどんどん広がりを見せている。僕が仲間と初めて「サイエンスカフェ」と銘打ったイベントをしたのは、2005年の5月のこと。大学の学園祭でだった。当時日本では、科学政策研究所の報告書などでイギリスのカフェ・シアンティフィクが紹介されてはいたものの、実際に開催しているところは皆無に等しかった。せっかくなので、サイエンスカフェをやってみよう、しかも僕ら学生がスピーカーになろうと決めたのが、学園祭の申し込み締め切りぎりぎりの2月か3月だった。ほぼ時を同じくして、日本科学未来館や財団法人、NPO法人などによるサイエンスカフェが開かれるようになり、火がつき始めたように見えた。僕もサイエンスカフェのシンポジウムに行ったり、「ワンドリンク付講演会からの脱却」を訴え、「科学をおやつにお茶しませんか」を売り文句にしたりした。

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またまたサイエンスカフェ [科学コミュニケーション]

 昨日のことになりますが、大学の学部が主催するサイエンスカフェの手伝いをしてきました。高校生を対象とするもので、前半は研究員によるお話と質疑、そして後半は大学院生との懇談という構成でした。高校生8~10人に大学院生2人がつくという形で、僕もその中に加わり高校生と科学についていろいろな話をしました。高校生も熱心なが多く、かなり高度な質問も出てきました。答えられなかった質問について、今日大学に調べに行ってしまったくらいです。学会で聞かれてもおかしくないような切り口で質問する子や、「こんなことはできなんですか」と研究のアイディアのようなことを思いつく子までいて、なかなかエキサイティングでした。分野の違う学生とペアになるというのも、とてもよかった気がします。僕は物理の理論系の人とペアになったのですが、お互いの違った視点や考え方が出せた気がして、僕自身がとっても楽しめました。第2回があったらまた期待という高校生もたくさんいたので、ぜひ次回も同じような企画が続くことを願っています。
 そしてそのあとは、手伝いをした大学院生で打ち上げに行きました。同じサイエンスを専攻しているとはいえ、専門分野はさまざまなので、これがまた話していてとても面白いのです。アウトリーチ活動というと、一般の人にどれだけ伝わったかということが重視されがちですが、異分野間でのコミュニケーションという副産物も僕にとっては大きな魅力なのです。せっかく面白い大学院生が集まったので、ここから何か生まれてくるといいなあと思っています。
 というわけで、今年もサイエンスコミュニケーションから足を洗えずにいます。


若手交流会ありがとうございました:サイエンスアゴラ(1) [科学コミュニケーション]

 25~27日にかけて、お台場でサイエンスコミュニケーションの一大イベント「サイエンスアゴラ」が開催された。僕はその中で、若手・学生の活動報告会をオーガナイズした。ぜんぶで25人ほどの人が来てくれて、5人の方に活動報告をしていただいた。企画段階では、テーマ性を持たせて議論するワークショップにしようかなどと迷ったが、結局は活動報告会にした。意見はいろいろあると思うが、今回はこれでよかったと思っている。全国に同じような思いで活動している仲間がいるということが分かり、そこから緩やかな人のつながりができれば、きっと何かが生まれるだろうと、僕は確信しているからだ。
 ところで、サイエンスコミュニケーションに興味を持ってて、初めてこのような集まりに参加したという学生に何人か会った。そのたびに、こんな団体があるので問い合わせしてみたら、などとお話した。こういう人にこそ、若手交流会に参加してもらいたい。ぜひとも次回を開催したい。
 参加してくれた方、来れなくても応援してくれた方、バックアップしてくれた事務局の方、みんなみんな、ほんとうにありがとうございました。


サイエンスコミュニケーション若手活動報告会@サイエンスアゴラ [科学コミュニケーション]

 昨年あたりから、科学と社会との橋渡しをするサイエンスコミュニケーションがブームの様相を呈している。様々な大学や科学館で、サイエンスコミュニケーター養成のコースが立ち上げられた。その中でも、大学生・大学院生を中心とした若手がさまざまな活動を展開しているのは注目に値するだろう。活動内容は、出前授業、実験教室、サイエンスカフェ、グッズやゲームの制作など多岐におよび、ほかにはない新しいアイディアも生まれつつある。しかしながら、それぞれの活動の間の情報交換や交流は、いまだ少ないのが現状である。
 そこで、若手を中心としたサイエンスコミュニケーションの活動報告会を企画した。井戸端サイエンス工房(京都大)、サイエンスエンジェル(東北大)、サイエンステクノ(東工大)、NPOサイエンスステーション、NPO数理の翼の5団体から報告を行い、学生・若手の立場からの意見交換をおこなう。日時は、11月25日(土)10:30から、東京・お台場の東京国際交流会館4階会議室3で。JSTの主催するイベント「サイエンスアゴラ」の一環。申し込みは不要。

オーガナイザーの竹沢悠典さん(26)の話。「サイエンスコミュニケーションに興味のある人なら、どなたでも気軽にお越しください。今回の集まりを機に、横のつながりを築きたいと思っています」

 詳しくは下記参照。

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居酒屋で科学を語る会、発足! [科学コミュニケーション]

「サイエンスカフェってどう思う?」
「カフェに科学者とかがやってきて、科学について話をするってイベントのこと?」
「そうそう。去年あたりから流行り始めたやつ」
「何回か行ったことあるけど、なんか講演会みたいな感じだったよ」
「そうだね。話、聞くばっかりで、そんなにしゃべれないし」
「いっそのことカフェで行儀よくやっていないで、飲み屋でお酒飲みながらとかがいいんじゃない?」
「確かに。そのほうが、お客さんも科学者もざっくばらんに話せるね」
「じゃ、やってみよっか」

 というわけで、愉快な仲間たちで、居酒屋で科学を語る会を立ち上げた。会場は、新宿にある「竹の子」という立ち飲み屋さん。6~7人入ればいっぱいになってしまうようなアットホームな小さなお店である。店の壁には、1週間交代で写真家の写真などを展示している。そこに科学に関係のあるものを飾り、科学を専攻する大学院生と語りあおうというのが、この会だ。
 初回は、11月20日(月)~26日(日)。「宇宙を語ろう」展と題し、宇宙や天文学についての写真を展示する。期間中はときどき大学院生が飲みに行き、さまざまな話題を提供する。話の中身は、アルコールが入ってからのお楽しみだ。開店は、18時から。
 詳しくはこちら。
http://izakaya-kagaku.g.hatena.ne.jp/izakaya_science/
http://izakaya-kagaku.g.hatena.ne.jp/


サイエンスカフェをやってきた [科学コミュニケーション]

 1週間以上前のことになるが、出前授業とサイエンスカフェをしに、松江に行ってきた。つらつらと、思ったことを書いてみようと思う。

 まず出前授業について。総合学習の時間を使った100分授業で、「分子でナノマシンはつくれるか」と題して講義を行った。内容は、(有機)合成とはなにか、ナノテクノロジーとはなにか、といったイントロから入り、主に超分子化学の話を中心にした。一応、クラウンエーテルの話から入り、カテナン、ロタキサンを紹介し、分子シャトルあたりへ。最後には、生体分子モーターやDNAポリメラーゼの例を。生徒に質問して答えてもらう形式で進めようと準備していったのだが、反応が悪かった。見ず知らずの人がやってきていきなり授業するわけだから、当然と言えば当然のこと。もう少し工夫が必要だと感じた。それでも、みんな真剣に聞いてくれていたのはよかった。

 サイエンスカフェは、かなりの成功だった。高校の先生方に場所の確保から広報までお願いしていたこともあり、こちらは中身をやるのみである。2人の対談形式というのは、お客さんにとっても親しみやすかったようだ。会場からも質問や意見が出てきて、とっても楽しかった。近くのお店のおじさんも、「科学でそんなに話ができるもんなんですね。お店がなければ参加してみたい」と驚いていた。
 テーマとして似非科学(血液型性格診断とかマイナスイオンとか)を取り扱ったときがあったのだが、会場近くのお店でマイナスイオンを出すトルマリンを売っていた。これは営業妨害になるのだろうか。難しいところだ。


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