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トイレットペーパー化するポストモダン [科学コミュニケーション]

 トイレットペーパーが流行の兆しを見せている。といっても普通のトイレットペーパーではない。絵や文字をプリントしたトイレットペーパーが次々と販売されているのだ。トイレットペーパーへのプリントは以前からあり、主にキャラクター商品や販促用として利用されてきた。ところが、最近ユニークなプリントトイレットペーパーが登場し始めた。
 以前、このブログでも紹介したのが、天文トイレットペーパー。天文学専攻の学生が発案し、星の一生をプリントしたものだ。プラネタリウムや科学館で販売しているほか、インターネットで購入することもできる。そして、トイレットブックなるものを発売した出版社もある。春秋社の『建築する身体』だ。これは、それなりに話題になっていた哲学書だが、前書きと最初の部分をトイレットペーパーにプリントした。さまざまな書店で平積みならぬ、ピラミッド積みになっている。
 天文学と哲学書。いずれも生活とはちょっとはなれた、敷居の高い気がする分野だ。それをトイレットペーパーにして、挙句の果ては水に流すのだ。
 ニューメディアとして颯爽と登場したかのように見えるトイレットペーパー。いま、新たな他者として、トイレという日常空間に侵入しつつある。その目的は、普及活動なのか、宣伝なのか。はたまたポップアートなのか、脱構築なのか。トイレットペーパーが拓く世界に注目したい。


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